2025年04月22日
ロレックスの中古時計価格指数は前年第4四半期比で0.3%上昇。
存在感を強めるロレックス。中古市場の価格下落、2022年以来もっとも緩やかに
モルガン・スタンレーとウォッチチャーツのデータによれば、ロレックス、パテック フィリップ、オーデマ ピゲ、オメガ、カルティエが中古市場で堅調な動きを見せている。
2025年初頭、中古ロレックスの価格上昇を背景に、中古市場における価格下落のペースが過去3年で最も緩やかとなった。モルガン・スタンレーとウォッチチャーツがまとめたデータによると、ロレックスの中古時計価格指数は前年第4四半期比で0.3%上昇。一方で中古市場全体では0.4%の下落となったが、第2四半期以来、四半期ベースでの下落幅がもっとも緩やかであるとモルガン・スタンレーのアナリストは報告している。
こうした価格下落の鈍化は、パンデミック期に記録的な高騰を見せて以降、3年にわたり続いてきた下落傾向がひと段落して中古時計市場が安定に向かいつつある兆しといえる。需要自体は依然として堅調であり、特にロレックス、パテック フィリップ、オーデマ ピゲといった一部の独立系スイスブランドに人気が集中し、市場平均を上回るパフォーマンスを生み出す。さらにスウォッチ グループ傘下のオメガやリシュモンが手がけるカルティエも、この四半期においては相対的に強さを見せたと報告されている。
graph for watch data
出典:ウォッチチャーツ、モルガン・スタンレーによるリサーチ
「ビッグスリー(ロレックス、パテック フィリップ、オーデマ ピゲ)において市場の健全性を示す指標が改善しており、とりわけロレックスの供給水準の是正は心強い動きである。上場企業グループに属する主要ブランドに関しても、価格が下落しているにもかかわらず中古市場での需要は依然として堅調に推移している」と、モルガン・スタンレーのアナリストはレポートのなかで述べる。
graph for chart data
出典:ウォッチチャーツ、モルガン・スタンレーによるリサーチ
なお今回の価格データは、米国が輸入品に対して関税を課すと発表し、市場と消費者心理に動揺が広がる以前の期間を対象としている。スイス製時計もその影響を受ける可能性がある業種に含まれており、当初は最大31%の関税が課される見通しだった。しかし現在は、スイスを含む多くの国に対して適用が90日間停止されている状況だ。とはいえ、10%の関税は引き続き有効である。
スイス政府は自国時計産業の最大の輸出先である米国における輸入コストの増加を抑えるべく、アメリカ側との協議を進めている。今後もし大幅な関税が正式に導入された場合、大手スイス時計ブランドや小売業者がどのように対応するのかはいまだ不透明である。一方でクリストファー・ウォードをはじめとする一部の英国系DTC(消費者直販)ブランドは、すでに現行の関税を反映した価格改定を行っている。
graph for watch data
出典:ウォッチチャーツ、モルガン・スタンレーによるリサーチ
レポートでは、「市場が不安定な時期には、“価値が下がりにくい”とされるロレックス、カルティエ、オーデマ ピゲ、パテック フィリップといったブランドに投資対象としての安心感から人気が集まりやすくなる」と分析する。
一方でIWCやA.ランゲ&ゾーネといった中堅ブランドについても、購入者が定価に対して30~40%割安で再販売される傾向があることを理解するようになれば、今後中古市場での評価が高まる可能性があるとも指摘されている。
さらにウォッチチャーツのデータによると人気ブランドの正規店での在庫状況は改善しており、現在生産中のロレックスのモデルのうち約53%が中古市場で定価を上回る価格で取引されているという。これは1年前の約68%からは減少しており、供給状況の正常化を示していると考えられよう。
graph for the watch data
出典:ウォッチチャーツ、モルガン・スタンレーによるリサーチ
オーデマ ピゲは現在、生産中のモデルのうち67%が中古市場で定価を上回る価格で取引されており、1年前の65%から上昇傾向にある。一方でパテック フィリップは約38%のモデルが定価超えで取引されており、2024年4月時点の約45%からはやや減少したとレポートは伝える。
こうした中古市場における価格は、ブランドの一次市場における強さを示すひとつの指標にもなり得る。なかでもスイス高級時計界の“ビッグスリー”とされるロレックス、パテック フィリップ、オーデマ ピゲは、取引金額ベースで中古市場を席巻している。
モルガン・スタンレーとウォッチチャーツのデータによれば、ロレックス、パテック フィリップ、オーデマ ピゲ、オメガ、カルティエが中古市場で堅調な動きを見せている。
2025年初頭、中古ロレックスの価格上昇を背景に、中古市場における価格下落のペースが過去3年で最も緩やかとなった。モルガン・スタンレーとウォッチチャーツがまとめたデータによると、ロレックスの中古時計価格指数は前年第4四半期比で0.3%上昇。一方で中古市場全体では0.4%の下落となったが、第2四半期以来、四半期ベースでの下落幅がもっとも緩やかであるとモルガン・スタンレーのアナリストは報告している。
こうした価格下落の鈍化は、パンデミック期に記録的な高騰を見せて以降、3年にわたり続いてきた下落傾向がひと段落して中古時計市場が安定に向かいつつある兆しといえる。需要自体は依然として堅調であり、特にロレックス、パテック フィリップ、オーデマ ピゲといった一部の独立系スイスブランドに人気が集中し、市場平均を上回るパフォーマンスを生み出す。さらにスウォッチ グループ傘下のオメガやリシュモンが手がけるカルティエも、この四半期においては相対的に強さを見せたと報告されている。
graph for watch data
出典:ウォッチチャーツ、モルガン・スタンレーによるリサーチ
「ビッグスリー(ロレックス、パテック フィリップ、オーデマ ピゲ)において市場の健全性を示す指標が改善しており、とりわけロレックスの供給水準の是正は心強い動きである。上場企業グループに属する主要ブランドに関しても、価格が下落しているにもかかわらず中古市場での需要は依然として堅調に推移している」と、モルガン・スタンレーのアナリストはレポートのなかで述べる。
graph for chart data
出典:ウォッチチャーツ、モルガン・スタンレーによるリサーチ
なお今回の価格データは、米国が輸入品に対して関税を課すと発表し、市場と消費者心理に動揺が広がる以前の期間を対象としている。スイス製時計もその影響を受ける可能性がある業種に含まれており、当初は最大31%の関税が課される見通しだった。しかし現在は、スイスを含む多くの国に対して適用が90日間停止されている状況だ。とはいえ、10%の関税は引き続き有効である。
スイス政府は自国時計産業の最大の輸出先である米国における輸入コストの増加を抑えるべく、アメリカ側との協議を進めている。今後もし大幅な関税が正式に導入された場合、大手スイス時計ブランドや小売業者がどのように対応するのかはいまだ不透明である。一方でクリストファー・ウォードをはじめとする一部の英国系DTC(消費者直販)ブランドは、すでに現行の関税を反映した価格改定を行っている。
graph for watch data
出典:ウォッチチャーツ、モルガン・スタンレーによるリサーチ
レポートでは、「市場が不安定な時期には、“価値が下がりにくい”とされるロレックス、カルティエ、オーデマ ピゲ、パテック フィリップといったブランドに投資対象としての安心感から人気が集まりやすくなる」と分析する。
一方でIWCやA.ランゲ&ゾーネといった中堅ブランドについても、購入者が定価に対して30~40%割安で再販売される傾向があることを理解するようになれば、今後中古市場での評価が高まる可能性があるとも指摘されている。
さらにウォッチチャーツのデータによると人気ブランドの正規店での在庫状況は改善しており、現在生産中のロレックスのモデルのうち約53%が中古市場で定価を上回る価格で取引されているという。これは1年前の約68%からは減少しており、供給状況の正常化を示していると考えられよう。
graph for the watch data
出典:ウォッチチャーツ、モルガン・スタンレーによるリサーチ
オーデマ ピゲは現在、生産中のモデルのうち67%が中古市場で定価を上回る価格で取引されており、1年前の65%から上昇傾向にある。一方でパテック フィリップは約38%のモデルが定価超えで取引されており、2024年4月時点の約45%からはやや減少したとレポートは伝える。
こうした中古市場における価格は、ブランドの一次市場における強さを示すひとつの指標にもなり得る。なかでもスイス高級時計界の“ビッグスリー”とされるロレックス、パテック フィリップ、オーデマ ピゲは、取引金額ベースで中古市場を席巻している。
Posted by iraniabeja at
11:09
│Comments(0)